スタニスラフスキー・システムとは、近代ロシア=ソ連を代表する演出家、俳優のスタニスラフスキーが築いた演技理論。
スタニスラフスキーは、自らが設立したモスクワ芸術座での活動や、プーシキン、ゴーゴリ、オストロフスキー、シチェープキンなどのロシアのリアリズム演劇の伝統、また海外の名優たちや演劇芸術の歴史、さらには唯物論的な美学や心理学、セーチェノフ、パブロフらの生理学なども取り入れて、俳優のための演技理論を作り上げた。
その内容は、紋切り型の演技を否定し、真にその役になりきる「心理体験の芸術」というもので、作者によって「提案された状況」における俳優の目的意識的な動きが俳優術の土台になり、俳優の知性、意志、感覚、内的・外的資質が参加して舞台的行動が創造される。
これらをまとめた理論書「俳優修業」(全3巻)は、第2巻以降は弟子達がまとめたものだが、世界の演劇指導者、俳優にとって多大な影響を与え、近代以降の演技理論を語るうえで欠くことの出来ない存在である。