詩学とはギリシアの哲学者アリストテレス(前384-322)の著作。原題 Peri poiētikēs 。
紀元前384年に著された「詩学」は26章が現存し、その大部分は悲劇の創作論について書かれているが、演劇論、芸術論として有史以来最も重要な文献とされている。アリストテレスは、「詩学」のなかにおいて、文芸、音楽、舞踊、絵画、彫刻はすべて人間の模倣本能に基づく模倣(ミーメーシス)を共通原理とするが、その媒体、対象、表現方法によって文化と差異が生じ、そこから叙事詩、悲劇、喜劇などのジャンルが生まれたとした。そして文学の最高形態である悲劇の効果をカタルシスにあるとし、その構成要素を、筋、性格、措辞(そじ)、思想、場面、旋律の6つとし、筋を要素の第1に置き、主人公の位置を一般市民より高貴な存在に求めて喜劇と区別している。
「詩学」で述べられるアリストテレスの芸術に対する構造理解は、当時としては画期的なものであり、今なお、芸術論を考える際に参考にされている。